緊急避妊薬(アフターピル)について

避妊なしでセックスをしてしまった(膣外射精、性交の途中からのコンドーム装着を含む)、コンドームが破けてしまった、などの場合に、妊娠を避けるためにできる効果的な方法があるのをご存じですか?

セックスの後72時間に、女性が「緊急避妊薬(アフターピル)」を内服する方法です。

緊急避妊薬はドラッグストアなどで市販されてはいませんが、産婦人科等を受診して「緊急避妊したい」と言えば処方してもらえます。

もし、土日祭日や大型連休などで72時間以内に最寄りの産婦人科がやっていないといった場合には、出産できる病院で救急外来のある病院に受診してみましょう。効果は100%ではありませんが、72時間以内(できるだけ早く)に内服できれば80%以上妊娠を避ける効果があると言われています。

費用は15000円前後。自費診療なので病院によって金額が違います。

薬は副作用が心配、と感じる人も多いはず。ごくわずかな人に、気持ちが悪くなったり、吐いたりするなどの副作用が現れることがあります。

ただし、こうした副作用は24時間以上は続かないと言われています。

もし、緊急避妊薬を内服後2時間以内に吐いてしまった場合は、すぐに薬を処方した医師に相談しましょう。追加で内服する必要があるかもしれません。2時間以上が経過していれば、吐いても心配ないと言われています。

緊急避妊薬で妊娠が防げたかどうかは、すぐにはわかりません。緊急避妊薬を内服した後80%以上の女性が予定の月経より早いかあるいは2日後以内に月経があり、95%が予定月経日の 7 日後以内に月経があると言われています。月経が予定より 7 日以上遅れたり、あるいはいつもの月経より軽い場合には、妊娠検査薬で妊娠を確かめるよう推奨されています。

もしも妊娠している場合は、できるだけ早く産婦人科を受診しましょう。

一度緊急避妊薬を内服した後、さらにその後に無防備なセックスが行われた場合、そのセックスの妊娠を防止する効果までは期待できません。

また、緊急避妊薬は性感染症を予防したり治療したりする効果は全くありません。妊娠を望んでいないセックスでは必ずコンドームを使用して性感染症を予防することが大切です。

引用参考文献:緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28 年度改訂版)日本産科婦人科学会 編